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本格的に作業が始まる前に、わたくしが最も尊敬、最大級のリスペクトをしている料理人のところへ。
どの世界でもそうだけど、誰にも到達できない領域に行っている人にはある種の共通点があると思う。
他人の評価や世の潮流などは全く関係なし。ひたすら自分の設定した基準、ハードルをクリアしてプッシュし、上げて行くこと。そこに一切の妥協がないこと。なので、常に進化と深化と変化を繰り返している。
彼の場合、それでいて生産者や食材に対してひたすら丁寧で謙虚であること。
食材に拘ってるとか、そんな話じゃない。自分の料理を実現するためにいい食材があるのではなく、いい食材があるから自分の料理が実現できるという姿勢。言葉じゃなく、それを体現して徹底している人ってどれだけいるかな?そういうことが料理はもちろん店全体からヴァイヴスとして伝わる。何処にもない誰にも真似できないワン&オンリーな稀有な存在。
ひとつだけ、僕が彼らについて知っている事。
彼らはほぼ毎週必ず畑にやってくる。そこで旬の野菜をかなり大量に仕入れていく。
その野菜、フツーに考えたらそのまま食材として使われるのだと思っていたら、そうではなかった。切り方や火入れの加減、他の食材との相性など、何度も何度も試行錯誤を続け、結局はメニューに載らないなんてことはフツーに当たり前。時々「あの野菜、どんな風に使ったの?」って聞くと、「いや、まだ試行錯誤してます」って、もう3年間買い続けてるじゃんみたいな。メインとなりえない野菜ですらそうなんだから、魚や肉なんかに至っては推して知るべし。
例えば好きなミュージシャンがたまに「アウトテイク&レアトラック集」みたないものをリリースするんだけど、「えっ、なんでこのテイクがボツになるの?」みたいな、たぶんそんな感じだろうと思う。
料理のスタートから約3時間。
どうせお金も時間も使うなら、コスパや費用対効果を考える前に、そういうマインドやスピリットに溢れたところに使いたい。お金を払うほうが、心から「ありがとう」と言える場所。


年に一度は来て、自分の現在地を確認。わたくしも精進いたします。
長年に渡り野菜も使って頂いてますが、数年前「店の音楽がどーにも納得いかないのでお願いします」って言われまして、店の雰囲気と料理の邪魔にならないようにわたくしセレクトのギュッと濃縮した極上の音楽が流れてます。野菜より貢献度高いと思う(笑)

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