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基本、酒はウィスキー、焼酎、たまにワイン。


ビールはノンアルで充分なお年頃になりました。


以前から是非とも飲んでみたいなーと思っていた「カネマラ」。

「普段飲み」には少々お値段が張るので、「何かの時」にでもと思いつつ、その「何かも」特に訪れず。


そしたら、色んな意味でとってもしんどかった今年、とっても大切な人からそのブツをいただきました。


わたくし、20歳の時にふと気が付いたのですね。自分が好きだなーと思う音楽がことごとくアイルランド、又はスコットランド、ウェールズといったケルト圏が多いことに。

とりわけ、アイルランドは多かった。未だイングランドにしか行ったことないんだけど。


当然の如く、酒もまたアイリッシュウィスキーやスコッチに走ります。あっ、もちろん道産子なので「ニッカ」は基本です。


わたくしの心の師匠であるマイク・スコットは、ゴールウェイで「Fisherman's Blues」という大傑作なアルバムを世に送り出しております。そして、近年のアルバム「out of all this blue」というアルバムの中には「The Connemara Fox」という曲もあったりします。


マイク・スコット曰く「カネマラはアイルランド西部、雄大な山と海が成す大自然で知られるアイルランドの原風景が残った地域なんだ。The Connemara Foxは架空のヒーロー。反骨の無頼漢であり冒険家で、言論と思想のために戦うキャラクターなんだ」と。


こじつけでもなんでもいいとオレは思うんだよ。小さくても、物語は自分で作るものだし、こうして自分の好きなものとかが大切な人を通じてもたらされるんだから。ちなみにこの「カネマラ」の送り主はアイルランドもマイク・スコットもウィスキーも何にも?????

それがまた物語としてはとってもいいんだよね、オレにとっては。何にせよ、こうして僕の好きなものや人が大切な人によってもたらされる。約束通り、「吹雪の日に、薪ストーブの炎を眺めながら飲みなさい」と言われたので飲んでます。心からありがとう。


では「Fisherman's Blues」からアイルランドの詩人、W.Bイェーツの詩にマイク・スコットが曲を付けた「The Stolen Child」。実はもうずっーと前から、自分が死んだらこの曲を流して欲しいと思っていた曲なのです。当分、死なない所存ではおりますが(笑)



「The Stolen Child」


出ておいで 人の子よ 河川と原野の中へ

妖精と手に手をとって

だって世界は君が思っているより、ずっと悲しみで溢れているんだ


スルースの森の岩だらけの丘が、湖に急に落ち込んでいるところに

葉の茂った島があって アオサギが羽をばたつかせ 水生ねずみの眠りをさます

そこには我らが妖精の手おけが幾つも隠してあり 

中にはベリーと真っ赤に熟したチェリーがいっぱいだ


出ておいで 人の子よ


月光のさざなみが その光でぼやけた灰色の砂漠を照らすところは

一番離れたバラの園よりさらに遠く

我等は一晩中 歩き回る

年齢を重ねた妖精たちと

手に手を取り 目を見交わしながら


やがて月は高く昇り

我等は前へ後ろへと飛び跳ねる

泡立つあぶくを追いかけながら

一方 世界は困難に満ち 眠る間も心配が絶えない


出ておいで


グレン・カーの丘の上から

さすらった水がほとばしり出て

星をも洗う勢いの激流の間にも水溜りができ

我等はまどろむマスを探し求め

その耳元でささやく

静かならぬ夢を彼らに与えよう

そして新しい流れに彼らが流す涙を

そう その涙を流させるシダを取り去るのだ


我等と一緒に彼は行こうとする

神々しい目を持った人よ

彼は暖かい丘の側で泣く

牛の声を聞くことも 心をなごましてくれた

炉の上のやかんの音を聞くことも もはやなく

オートミールの皿のまわりを

ひょっこり動き回るネズミの姿を見ることもない


何故なら 彼は遂に来たのだ 人の子よ

河川と原野の中に

妖精と手に手を取り

彼が考えるよりも ずっと悲しみで溢れている世界から来たのだから


対訳:野絵あい子


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