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- pan-farm
- 2020年7月30日
- 読了時間: 3分
CDはもっぱら通販となってしまい、なんだかなーという気持ちももはや失せて慣れっこになってしまったところに、まるで玉手箱ようなHEATWAVE(熱波)バンド結成40周年を記念してのBOXセットが届く。
初めてそのライブを目撃したのが確か87年くらいだから、わたくし40年という歳月のうち、実に33年間その音楽と共にあるという。
ちょっとした夫婦よりも長いっす(笑)
殆どの場合、その音楽はタイムリーにドスンと響いてきたけど、稀に自分から距離を置きたくなることもあって、そんな時に限って周回遅れで倍返しのように響いてきた。
いずれにしても、33年間今日までずっーと生活と共にあって、ご飯を食べなくなると死んでしまうように、この音楽無くして生きてはこれなかったと思う。生きてたとしても、どう生きていただろう?
今も変わらぬもの。それはバンド名が示す通り、「熱量」。
33年前の「熱量」、一言で言ってしまうならそれは「怒り」。
ただし、世界や社会に対する異議申し立ての「怒り」ではなく、自分とそれ以外(例えばそれは、キミ、あなた、他者、社会、世界、エトセトラ)との「距離や摩擦」に苛立つ自分自身に対して向けられたモーレツな「怒り」。客に媚びを売るなど皆無。髪を逆立てがなり立てるパンクスよりも遥かに凶暴で鋭い目と佇まい。
自分自身に向けられた刃は、時にライブでも手に負えなくなる場面が多々あって、観る側としては鉄壁な「音の塊」と予測不能な「破綻」が実にスリリングで、モーレツな「熱波」として鳴り響いていた。
ただし、あの「熱量」でニンゲンは生き延びてはいけない。つーか、あれでは遅かれ早かれ死んでしまっていただろうと。何せ刃が自分自身に向けられていたのだから。
果たして33年後、40年間かけて変化したその「熱量」とは?
おそらく、たぶん、幾度となく、絶望とか失意とか裏切りとか破綻とかの底を知り、その底には底がないということも知り、それでも歩を進めるための推進力を得る方法。
それは、おそらく、たぶん、思いっきりデカくて美しい虹を描き、まずは自分自身を愛で満たし、それを体じゅうの隅々までに充満させ、音楽に昇華させ、人々に投げかけ、循環させる。今日という1日をそのことのために使い切る。
おそらく、たぶん、それが自分に与えられたミッションであり、この世界に対して自らをある種の道具として捧げる。そういう想いや意志を最新作「blink」或いは近年の作品から僕は勝手に受け取っている。
40年というプロセスは「怒り」の「熱波」から、「愛」の「熱波」へ。
40年なんて瞬き「blink」のように一瞬だというけれど、「怒り」から「愛へ」一瞬では変われないからね。瞬間瞬間をコツコツと何度でも脱皮を繰り返してきた結果の「一瞬」だろうと思う。
ニンゲンの営みって、悪くないなーって思います。
ちなみにこのBOXセット、本人から直接発送されるというこれまで支えてくれたファンに対する感謝の意が満載。僕は勝手に「ありがとう星」の星からやって来た「ありがとう星人」による「ありがとう箱」名付けました。
HEATWAVE、心からありがとー。