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ホワイトアウトとブラックアウト

  • pan-farm
  • 2018年9月13日
  • 読了時間: 4分

冬山では、よく「ホワイトアウト」に遭遇します。

後志管内などの豪雪地帯では、車で移動していると、よく遭遇します。

今年の豪雪は、特にすごかった。常に降ってた。

これ、経験したことないと分からないと思いますが、恐怖以外の何物でもありません。

何せ視界がない。

スキーで言えば、まず方向感覚が失われます。

ゲレンデ内であれば、それなりの木やリフトの支柱など、目標物を見つけることは可能ですが、1000㍍を超えたあたりで森林限界を超えるので、まったく方向感覚が失われます。

ましてや、一歩スキー場管理区域外の所謂「バックカントリーエリア」に突入してそれに遭遇すると、ホント命の危険を感じます。

頼りになるのは、足裏の感覚と経験に基づく方向感覚、地理感覚、山全体を把握しているかどうか。

雪面の状況を足裏で感じるというけれど、板のトップからテール、エッヂ、ブーツのシェル、インソール、足裏の母指球、土踏まず、踵、エトセトラ。そこから得る情報を瞬時に体とマッチングさせ、滑走する。これ、条件のいい時でさえ、相当なエキスパートでなければできる代物ではありません。が、どんなに下手くそでも、そのような場面に遭遇したなら、下手は下手なりにそういったことをしなければ、生きて帰れる保証はありません。

運転中もまた、それとは違う五感を張り巡らせます。

「感覚と経験と勘」が全てです。

逆にそれらに自信もなく、確信も経験も技術もなければ、その日は温泉にでも入って、宿でおとなしく寝ていることです。

謙虚さを失い、「みんなが行っているから」と突入すると、deadゾーンに。

それは、チャレンジとは言いません。

冬は毎日、「ニセコ雪崩情報」をチェックします。

よく、「誰かが付けたトラックを追ってはならない。迷子になって遭難する」と書いてあります。

不思議ですよね、誰かのトラックを追って行けば、水先案内人のようにどこかに辿りついて、麓に脱出出来そうなもんですが、そうはならないと。

五感をフル回転させ、「感覚と経験と勘」を常に養っていないと、結局のところ誰かの付けた路の後を追うしかなく、最後は迷子になるというオチ。

人生も全く同じですね。

誰かの後を追って、長きに巻かれれば、迷子になるのです。

もちろん、「感覚と経験と勘」と同時に、それらを疑う謙虚さもなければ。

今回の「ブラックアウト」も、まったく同じだと僕は思いました。

情報が悪い訳ではありません。

確かな情報をキャッチする能力、とういか嗅ぎ分ける嗅覚。これもまた「感覚と経験と勘」を養わなければなりません。

例えとしては、甚だお下劣かとは思いつつ。

例えば歌舞伎町の如何わしいお店でも、その嗅覚さえ養っていれば、どこが優良なお店で、どこがボッタクリのお店なのか、その佇まいや雰囲気で分かるようになると思います。

別に歌舞伎町の如何わしい店でなくてもいいです、イタリアン、フレンチ、和食、CDショップ、洋服屋、なんでもいいです。

肌身で感じる経験と、いくつかの恥ずかしい失敗の学習料金は、人生の肥やしです。情報誌の★の数や口コミほど当てにならないものはありません。

ありきたりの日常がある時に、そうやって、自分だけの確かな嗅覚を身に着けていく以外に、ピンチを生き延びる方法なんてないのだと思います。都市生活者であろうと田舎暮らしであろうと。

テレビもネットもそこそこに、スマホとは無縁な生活。オマケに本も読まない。

良く言われます、「じゃ、普段何してんの?」と。

働いてるじゃん。あと働いてる時もそうでない時も、「自分の脳内と会話」(ほぼ、よからぬ妄想。自己脳内無料アプリ!)をしたり、自分自身の「内なる声」に耳傾けるということ。

逆に言うと、常に自分と会話して、常にそれを自分で検証している。

そして最後は、導き出した自分の声、そこに忠誠を誓うということだけしか残りません。

感覚だけがどんどん研ぎ澄まされていく感じがして、世の潮流とはますます距離は広がるばかり。

でも、オモロイことや予想外・想定外の事が起きて、人生、超たのすぃーっす。

たまに大火傷もするけれど、誰のせいでもなく自分の声を信じて来たのだからそれもまた経験。

では本日のお休み前の1曲。

 
 
 

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