gentle land
著名人であれ、庶民であれ、一人の人間の自死に対してとやかく言えるものは何もないんだけど。
本当の理由は本人にしか分からないし、もしかしたら本人だってその理由は分からないのかもしれない。
ただ、自分らしく、本当の自分を貫こうとすればするほど、「生きづらさ」を感じるのは、いつの時代も同じで、これはたぶん避けては通れない。
学校に行ってた時も、組織に入った時もそうでしょ?何かちょっと抜きん出たりしただけで、やっかみ、妬み、陰口、いじめ、無視。
歳を重ねて少しは物分かりのいいオッサンになるかと思いきや、僕に限って言えば全然そんなことはない。相も変わらず、というか若い頃よりスーパーめんどくさくて生きづらい。
長い物に巻かれ、周りの空気を上手に読みながら、本当の自分を押し殺し、いつしか押し殺していることにすら無自覚になり、忖度上手な輩が幅を利かせる世界。いったいアンタは何処の誰なんだよって思うよ。
かつて、とある組織に属していた時に、ご丁寧にも「みんなこう言ってるから気を付けたほうがいいですよ」というご忠告を受けたことがある。本人は僕を心配しての善意と味方のつもりでそうしてるんだろうけど。
この「伝書鳩」みたいなのは、組織で孤軍奮闘ピンチの時に「みんなこう言ってますよ」と言いながら、必ず「みんな」のほうにしか志は向いてません、必ず「みんな」のほうに逆戻します。決して親身に見方にはなってくれません。
何故って?「伝書鳩」故に、味方のふりして伝言して任務終了。長いほうに巻かれて去って行くだけです。
誰もが強いマインドと強靭なメンタルを持っている訳じゃないけど、いつの時代も叩く奴って言うのは、隠れ蓑があったり匿名だったり集団だったりする訳だから、その時点で同じ土俵に上がれない可哀そうで、弱い輩である事だけは確かだよ。相手する相手じゃないんだ。
僕が10代、20代の頃。
スマホもSNSも勿論なかったし、想像すらしたこともないツールだけど、あの時代にも「自分らしく、本当の自分を貫こう」として「生きづらさ」を感じている者に対しては、同じような構造はあった。
ただ、僕の場合には幸運にも10代の頃にラジオの電波でキャッチしたこのバンドに出会ったお陰で、ひるまず堂々と胸を張って面白おかしく生きていいんだと思って、今日まで何とか持ちこたえているだけのこと。
誰しもに、そんな小さな出逢いやきっかけがあるといいけど。
かれこれ、36,7年くらい前の音楽だけど、ちっとも優しくない、見せかけだけの優しさに溢れた世界を逆説的に「gentle land」と警鐘を鳴らしているのは今の時代にも有効だと思う。
アナログを出して聴いてみると鮮明に蘇るよ、10代の頃が。
そして、物事をキャッチするアンテナがあの頃とほとんど変わっていない自分に気付く。
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